放課後3事業“スタッフ力”アップ研修シリーズ[1]

よこはまユースでは、18か所の放課後キッズクラブの運営に加え、横浜市放課後3事業(放課後児童クラブ:学童保育、はまっこふれあいスクール、放課後キッズクラブ)への新たな取り組みを始めました。そのひとつがこの“スタッフ力”アップ研修です。
日々、たくさんの子どもと向き合っている「放課後の居場所」スタッフは、自分の考え方や行動が間違っていないか、不安になるときもあります。研修をとおし、いろいろな意見を共有し、みんなで考え、自分を振り返る…、そんな機会にしてもらいたいと企画しました。

2013年11月8日に実施した第1弾のテーマは「子どもに向き合う 子どもに寄り添う」。
講師は、世田谷区でプレイパークの立ち上げに関わり、長年プレイリーダーとして数多くの子どもたちと接してきた、大正大学人間学部特命教授の天野秀昭先生です。


「子どもの遊びに大人が関わることの1番のメリット、そして1番のデメリットは?」
このワークから “スタッフ力”アップ研修が始まりました。グループで個人の考えた意見を共有し、一つにまとめて発表します。

机を囲み、意見を交換し合う様子

「…よろしくお願いします」
グループのメンバーはほぼ初対面。初めは遠慮がちなあいさつから始まりました。

 

手振りも加わり話し手に熱がはいります

グループの意見を用紙に大きく書きます

「私は〇〇と思います」「私が考えたのは…」
「そうだよね」「私はそれより〇〇が大事だと思う。それはね…」「なるほど、そんな見方もあるんだ」徐々に意見交換が活発になってきます。
自分の意見とメンバーの意見、同じだったり違ったり、あるいは気づかなかった新しい視点のものだったり。

 

各グループで出た意見を全員に伝えます

すべての班がワークを終えたところで、グループ毎に自分たちのまとめた意見を発表しました。

いくつかのグループのまとめを紹介します。

【メリット】

メリット1
 

全グループ

メリットのまとめ

 

【デメリット】

デメリット1

全グループ

デメリットまとめ

 

メリットはわかっている、でもデメリットを考えると…そんな思いが伝わってきました。

「人によって、『安全の保障』と『規制』の境界線が違うのは当たり前です。正解はありません。大切なのは、なぜいいのか、なぜダメなのか、自分なりの“答え”を明確にもっていることです。「『誰か』がダメと言ったから」は、子どもの「やりたい」を抑える理由になりません。」

天野先生は続けます。

「鬼ごっこを遊びだと思う人?」大多数の方が手を挙げます。
「では、『ぼくはどうしても本が読みたい』という子に、『みんなでやることに意義がある』と言って無理やり参加させたら、これは遊びでしょうか」
はっとしました。
「子どもの遊びの世界を、大人の管理下にすると、それは遊びの世界ではなくなります。本人の『やりたい!やってみたい!』が遊びなんです」


遊びは、形ではなく、子どものやってみたいという気持ちが重要だということを、天野先生は伝えてくださいました。
「安全」、そして「子ども主体で遊ぶことの価値」…、大人が子どもの遊びに関わることのメリットとデメリットは裏表だということを改めて実感したのではないでしょうか。

放課後キッズクラブ

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