統計から見たもの
5月には横浜市、6月には神奈川県から、相次いで、児童虐待に関する統計が発表されました。
- 横浜市:「平成23年度横浜市児童相談所の児童虐待新規把握件数について」
- 神奈川県:「平成23年度児童相談所虐待相談受付件数について」(政令市・児童相談所設置市を除く)
それぞれ、虐待件数の内訳について、虐待内容別・対象年齢別など様々な視点からのデータが報告されています。(詳細なデータは、『情報スポット』からも見ることができます。)
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両方のデータを見て気になったことがあります。
相談経路別(誰・どんな機関から相談の通告があったか)の件数がどちらにも掲載されていますが、神奈川県では「近隣・知人」からの通告件数の割合が19.5%と、全体の2番目に高い割合であるのに対し、横浜市では8.6%と低くなっています。
そこで、県内の他市のデータも調べてみました。インターネット上で調べた限り、相談経路別の虐待相談件数を集計・公表していたのは川崎市と横須賀市でした。それぞれについて「近隣・知人」からの通告件数割合を見ると、川崎市が24.2%、横須賀市が26.2%でした。
横浜市のデータは、相談を受付けたうちの新規把握件数(初めて相談・通告があったもので、かつ実際に虐待が認められたものの件数)であり、正確な比較にはならないかもしれませんが、県内の他市町村に比べて「近隣・知人」からの通告が少ない傾向にあると言えるのではないでしょうか。
都市部では、「人とのつながりが希薄化している」、「プライバシーの保護を理由に、人と関わることを躊躇する」ということを耳にしますが、横浜にもそれが起こっていることの表れでしょうか。
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児童虐待のなくなることが一番良いことですが、虐待を受けている、あるいは、虐待を受けている可能性のある子どもの存在に気付いた時に、周りの大人たちが何か行動を起こせる社会、普段から周りの大人たちが子どもたちを見守ることで虐待を予防できる社会、そんな社会をこの横浜に、皆さんと一緒につくっていけたら良いなと思います。
(T-吉田)