未来の建築家たち ~ワークショップ「創作家づくり」の報告~
10月20日(日)、JIA神奈川(日本建築家協会神奈川地域会)の協力を得たワークショップ、「創作家づくり」が開催されました。
この事業は、ガールスカウト横浜市連絡協議会と当法人との連携による体験活動事業です。
家作りを疑似体験するワークショップですが、「疑似」といってもミニチュア模型作りではなく、あくまで「家作り」!
そのため、大人も入れるほどの大きな家ができあがります。
材料は、角材と連結用の強力な輪ゴムだけなので、言うなれば‘スケルトンハウス’といった趣です。
60人ほどの子どもたちが5つのグループに分かれ、現役建築家の方々の指導のもと、それぞれ特長ある家をつくりあげました。
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先ずは、つくりたい家の絵を描いて、イメージを具体化していきました。
ドーム型の家やお城のように尖塔のある家・・・など、大人であれば「実現不可能」とあきらめてしまうような家々が、次々と描き出されていました。
しかし、「あきらめてしまわないこと」が、このワークショップのポイントの一つでもあります。
型にはまったものを「作る」のではなく、夢のようなものであってもイメージに近づけて「創る」。そのための「工夫」や「努力」を大切にしていました。
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絵が描きあがると、それらをもとに、実際に家を組み上げていきました。
グループ毎に違うのは形だけではありません。
慎重に土台からつくるグループがあれば、イメージが薄れないうちにと、外観からつくるグループもあり、工程にもそれぞれの特色が現れていました。
1時間ほどで、家のおおまかな形ができあがりましたが、この頃になると子どもたちの手つきも慣れたもの。
初めのうちは四苦八苦していた木材の連結作業も、「ひょい、ひょいっ」と、職人のような手さばきで上手にこなしていました。
家は外観だけでなく、居住性も重要!
ということで、イスやウッドデッキ、開閉式のドアや窓までもが、小さな匠たちの手により形作られていきました。
各グループの家が完成したところで作業は終了。
グループ毎に、家のコンセプトや特徴を発表し合いました。
四方が尖った家、時計台のように塔のある家、庇屋根のある家、三角屋根がいっぱいの家・・・。
年長の子どもたちのグループでは、身体を活かしたスケールの大きな作品が、年少の子どもたちのグループでは、かわいらしくもしっかりした造りの作品ができあがりました。
そしてどの作品にも言えることは、最初に描いたイメージに近い形に仕上がっているということ。
― あきらめてしまうのではなく、自分たちの感性を信じ、工夫をこらし、仲間と協力しながら取り組めば、描いた未来を実現できる ―
参加した子どもたちが、そんなことを少しでも思ってくれたらいいなぁ、と思います。
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各グループの発表後には、そのグループを指導した建築家の方に講評してもらいましたが、その中で、「この作品は屋根の形が特長的だが、有名な建築家〇〇が作った作品によく似ている」と、最大級の賛辞をもらうグループもありました。
今回のワークショップをきっかけに、子どもたちの中から有名建築家が生まれる日もそう遠くないかもしれませんね。
<了>