ヒマそうなユースワーカー
みなさん、『青少年育成センターの職員は、何をしていると思いますか?』
会議室の受付、研修・講座の企画と実施、それとも「いつもヒマそうにしゃべっている」!?
今回のブログは、私たち「青少年に関わる職員(ユースワーカー)に必要なこと 」について、書いてみたいと思います。
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先月は、「青少年支援に関わる職員の専門性」に関する調査や研究発表を行うため、札幌と福井に出張に行ってきました。
私たち「青少年支援に関わる職員」がどのような専門性を持つのか、必要とされるのか、そしてそれらはどのように養成していくか等を探るため、「子ども・若者支援専門職養成研究所(事務局:奈良教育大学)」が、昨年度立ち上がり、その研究の一環として、今年はよこはまユース・札幌・京都の青少年関係団体を回り、実践や事業評価、人材養成のあり方などについてヒアリングを行っています。
私は横浜の担当者として、さっぽろ青少年女性活動協会や北海道大学・福井大で、実践仲間からヒアリングを行ったり、6月に実施された横浜での調査結果を発表したりしてきました。
そんな感じで、ここ数か月は「ユースワーカー(青少年に関わるスタッフ)の専門性とは何か??」について、文献を読んだり話を聞いたりなど、考える機会や時間が多かったのです。
(写真は、会議の帰り道で偶然遭遇できた「札幌時計台」。キレイでした。)
さて、一番上の質問の答えです。
正解は、全部です。でも、もう少し他の仕事もしています(笑) いや、もっとたくさんやってる!と職員は言うでしょうが。
ちなみに、最後の「ヒマそう~」というのは、実は私たち施設職員・ユースワーカーにとって非常に大切なことなのです。
以前、ふりーふらっと野毛山に勤務していた頃「どんな職員が青少年施設に求められているか」というレポートを書きました。その際、私は上司、同僚、時給スタッフがどのように利用者と対応しているか、どんな時に声をかけられるのかをつぶさに観察しました。
いくつか出した結論の一つとして考えたことは、「青少年(利用者)に声をかけられる職員は、たいてい“ヒマそうにしている”」ということ。
少しイヤらしく言い換えると「ヒマそうに“見えるように”している」ということです。
これは、ヒマでヒマででやることがない。ということではなく、むしろたくさんの仕事を抱えて、かつ、それをこなせている優秀なスタッフほど、ハタから見ると「ヒマそう」に見えるのです。
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みなさんはどうでしょうか。忙しく走り回っている人、顔をこわばらせ、目を吊り上げて何かをしている人よりも、「なんかよく分からないけど、のんびりと楽しそうにしている人」の方が話しかけやすいですよね。
まして、何か相談したいことや聞きたいことがある場合、「私は今聞きたいの!相手の都合なんて構わない!」という強心臓の方は除き、たいていの方は「今、相手が話しても大丈夫な状況なのか…迷惑でないかな…」と考えてしまいますよね。そんな時、相手が「超ヒマそうー」だったら、すぐにGo!できますね。
だから、私たち施設スタッフは、水面下では「ヤバイ!仕事間に合わない~~ギャーッ!!」と思っていても、みなさん方の前ではのん気そうな顔をし、“スキ”を残しておくことが必要なのです。これは「余裕がある」「開かれた状態」とも言えるでしょうか。 そして、その切り替えがきっちりできる人こそ、一人前のユースワーカーだと私は考えるのです。
他の街で活躍する敬愛するユースワーカー仲間、そして先輩や同僚もみんなそうです。いつでも、どんな時でもオープン&ウェルカムで私を迎えてくれます。今回訪れた、さっぽろ青少年女性活動協会の皆さん方もそうでした。
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さて、奥の方に座っている私を「アイツ、いつもしゃべってるか何か食べているか、どっちかじゃん」と思っていた利用者の皆さん、それは私の『迫真の演技』だったかもしれません(笑)。だから、いつでもお声かけてくださいね。
札幌や福井での楽しく・美味しい話は、また次の機会に。
センター長 七澤淳子