泣かせる職員たち
10月です。気持ちのいい季節になりましたね。
さて、この季節になると嬉しい思い出がよみがえります。
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
私は思うところあり、社会福祉士の資格取得のために一念発起し、2011年に大学の通信課程に入学しました。これは、職場の理解と仲間の協力があってこそ実現できたことです。
受験資格の要件には、24日間の「現場実習」があります。
これは入学を決めた時も「行けるのか…」と一番不安だったことでした。入学前に相談した上司からも「応援はするけど、今の時点では何とも言えないよ」という返事。既に中堅としてバリバリと働いていた頃だったので、これは当然のことです。
「まあ、その時考えればいいか…」と楽観視して臨んできましたが、上司・同僚が常にあたたかく応援してくれました。当時の常務理事が、「あなたが目指そうとしているものは、よこはまユースにとっても必要なことだから、勉強ができるように法人でバックアップする」と、かけてくれた言葉は今でも忘れません。本当に感謝しています。
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
時は流れ、一昨年(2013年)。実習の季節がやってきました。ちょうど今頃、10月です。
実習先は、新人職員の頃に研修を受けて以来、いつかお世話になりたいと考えていた「社会福祉法人やまびこの里」さん。自閉症児者支援をはじめ発達障害支援で、全国的にも先駆的な取り組みを行っているところです。
当時の育成センターは、入社1年目の霜田と入社2年目でこの年異動してきたばかりの村石と私の3人。「大丈夫です、私たちに任せてください!」と気持ちよく送り出してくれた2人。感謝と申し訳なさと不安……何よりローテーションは到底2人では回すことができません。2人の休みがなくなってしまいます。「実習終わった後、戻ってきて遅番やるか…」などと考えていたところ、総務部長が勤務に協力してくれました。改めて感謝です。
私はというと、「自分は普段ラクしているなー」と実感する毎日。常に利用者さんに目を配らせ、緊張感を持ちながらチームワークをもって仕事にあたる「やまびこの里」の職員の皆さんたち。入所施設なので24時間現場は動いています。日中の作業の他にも宿直勤務なども経験させていただきましたが、情けないことに疲労困ぱいの毎日でした。実習後に勤務するなんて今思えばとんでもなかったです。
指導してくださった職員の皆さん方は20歳代半ばの方たちでしたが、仕事についての信念と誇りを持つ姿はまさにプロフェッショナル。おおいに刺激を受けました。きっと「大学生の実習生が来る」と聞いていたのに、こんなのが来て「ウソだろー!」と思っていたことでしょう(笑)。でも、女子大生は事実でしたし(笑)
そんなこんなで24日間。途中、育成センターの日曜勤務もしていましたので、休みなくハードで充実した10月でした。当時は、少し痩せました(すぐに戻りましたが)。
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
実習は、今の仕事にも影響を受けるほどの刺激と学びが得られたのですが、今回書きたいことは、実習から復帰した11月1日のこと。
「おはようございまーす」と職場に到着して、ロッカーに向かったら、なんと…これが貼ってあったのですよ。
「七沢さん、おかえりなさい!」と…。
コーディネーターも含めた職場の仲間の顔が写っています(右下は、私が大ファンの…)。きっと、仕事中に作ったんだな-(笑)と思いながら、ホロリ。私は、この先、この若い2人を何があっても助けていきたいなと思いました。そして、2人から「実習お疲れ様でした」と、“マーロウ”の『限定キティちゃんプリン(サンリオ好き)』が贈られ、「泣かせやがってコノヤロウ…!」状態に。ロッカーの張り紙もプリンの容器も今も大事な宝物です。
あれから2年。仕事はまだまだ…かもしれませんが、とにかく心根が優しい自慢の職員です。
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
勝手な自己実現のために、職場・実習先など多くの人が協力してくれ、何とか無事に実習や授業を終えることができ、おかげさまで翌年1月の国家試験にも無事合格できました。
国家試験前も、他の課の上司や職員から、「合格祈願キットカット」やら「合格ハッピーターン」やら、お守りやら、湯島天神の「入試突破!」というハチマキ(入試じゃないんだが…事業課の惟子さん!)が贈られ、もう嬉しいやらプレッシャーやらで、うーん、本当にあたたかい職場ですね。
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
秋の風とともに思い出す、私の宝物のような自慢エピソードでした。
心優しき若手職員たちは、今も一緒に働いています。また、新しい仲間たちもみな優しく思いやりがある者ばかりなので、何か困りごとがありましたら、ぜひ育成センターを思い出してみてください。
センター長 七澤淳子