2ヶ月にわたる研修、終了!~青少年に関わる「大人の役割」(連続講座)その1~
11月24日(木)、2ヶ月間・全8回にわたる連続講座「青少年に関わる『大人の役割』」が終了しました。数回にわたり、内容をご報告します。
第1回の導入講義は9月29日。まだ半そでの参加者もチラホラいましたが、最終回は皆セーターやコート姿。「2ヶ月はあっという間ですねー」という声があちらこちらで聞こえてきました。
少子化・都市化により、学校や家庭以外で青少年が育つ場=他者との“関係づくり”の機会が少なくなっているとよく言われています。このような状況の中、青少年が関係づくりを学ぶ場を提供する、地域の大人の役割がますます期待されています。この講座では、“専門家でなくても”青少年の育ちを支援できるよう”さまざまな立場から青少年に関わる大人から話を聞き、それぞれのフィールドに合った支援のあり方を2ヶ月間にわたり考えていくもので、2箇所の実践現場の見学と4つのテーマ研修とで構成されていました。
参加したのは、青少年施設や地域施設のスタッフ、行政職員、青少年にかかわるNPOスタッフやPTA・会社員の方など約35人。
「今、自分にできることは何なのか」「何を考えて実践していくのか」という目的意識を持った参加者が横浜市内外から集まりました。
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最終回の「ふりかえり講義」では、駒沢大学の萩原建次郎先生を講師に迎え、実践見学やテーマ研修のふりかえりから浮かび上がった「5つの視点」を共有しました。
【本講座で浮かび上がった5つの視点 @萩原建次郎先生】
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現代社会をどうとらえるのか
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青少年をどう理解するのか(どう理解し得るのか)
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青少年の育ち・大人の育ち・社会の育ちを考える
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青少年と関わる大人の役割とは何か(一人の大人として、施設職員として、行政職員として 等)
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大人の居場所づくり
この後、この「5つの視点」と、これまでの実践見学・テーマ研修を受けて「青少年に関わる大人の役割とは何か?」についてグループで話し合いました。
【グループワークで出た主な意見】
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子どもや若者のコミュニティを壊しているのは大人側なのかもしれない。何でも合理的になりすぎて、一見“わずらわしい”ような支えあいこそが青少年とのかかわりの中で大切。
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大人・子どもではなく、人間同士のかかわりとして捉えることが大切。
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絶えず、粘り強く接していくことが大切。見守っているよ、ということを言葉だけでなく態度でもあらわしていきたい。
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自分自身にゆとりや“ため”ができた時に、子どもを受け入れることができると思った。その時は子どももボールを返してくれる。
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「大人と子どもが関わる居場所」には、必ず何らかの意味があるのではないか。関わりの中で自己肯定感を育むことが青少年の成長には必要。青少年を認めていきたい。
他にも、「『居心地の良い場』を目指しているが、施設やスタッフに依存しているのではないかと思われる青少年がいる。彼らには自立を促すことも必要かもしれない」という意見に萩原先生は、「充分な依存がないと自立することはできない。充分依存をさせる前に『自立すること』を急ぎすぎている・求めすぎている風潮が今の社会には見られる」といったコメントをいただきました。
テーマ研修の内容などはまだ後日報告します。 (N)