夏休み。子どもは育ち、大人は…
こんにちは。スタッフのNです。
夏休みです。育成センターのスタジオも、朝から中高生バンドが練習していて賑やかです。
社会人になると、「あー夏休み!」という感覚が薄くなって、通勤電車がやけに空いていたり、平日の繁華街に子どもたちがたくさんいたりすることで、やっと「夏休みか!」と認識するくらいです。特に、育成センターのような施設に勤務していると、お盆休みのように一斉休みがないため、より一層「いつもの毎日」になってしまいます。
そんな私が、最近、「あー夏休み!」と実感する出来事がありました。
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少し前から、よく行くコンビニでA君がアルバイトしています。
A君は、私が以前勤務していた青少年施設によく遊びにきていました。最初に会ったのは小学校2年生。そして今や高校2年生・・・!以前は土日しか見かけなかったA君が、平日昼間のレジで「お次のお客様どうぞ~」なんて言っているのを見て「あー夏休みか!」と実感したのです。
どちらかと言うとやんちゃ坊主だったA君。『オニババア』と一部で恐れられていた私に、よく怒られていたような・・・。とにかく、明るくて人懐っこくて、イタズラ好きの元気な子どもでした。異動して5年たった今年のある日、コンビニでお互い「あ!」と言って再会。私より背が高くなり、少年から青年の顔つきに変わっていました。
それから、たまにレジで会っては世間話したり、近況報告したりしています。しかしA君、他のお客さんにはものすごーく丁寧に接しているのに、私には随分ぞんざいな口をききます。「これ、あっためんでしょ!」「じゃーまた来いよ!」。他の店員さんがハラハラして見ています(笑)
きっと照れくさいんですよね。よく分かります。子どもの頃から知っていて、ずっと“タメ語”だった人に、いきなり敬語で話すのって何だか気恥ずかしいですよね。自分で『大人になったんです!』と表明しているようで、また、イジワルな私に『なんだよ~敬語なんて使っちゃって~』なんてからかわれそうで、照れくささの裏返しなんだよね、A君! でも、君がきちんとした言葉遣いができていることも、マジメな働きぶりも、私はちゃんと知っていますよ。
「オレももう17歳だからね!」とか「今日は夜までのシフトだから大変なんだよ~」なんて言いながら、テキパキと品物を袋に入れているA君の顔つきは、どこか誇らしそう。
こうした、子どもたちの成長した姿を見られるのは、私たちユースワーカーにとって何よりの喜びのひとつです。
いや、それだけではありません。
地域の子どもたちの成長した姿を見られるのは、大人の喜びのひとつのはずです。あちこちで「あらー大きくなったわねー」という声が聞こえてくる地域であってほしいと、私は思います。そうした大人の声(思い)を受けて、子どもは「大人になったこと」を実感し、育っていくのではないかと思うのです。
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しかし、コンビニで照れくさいのはA君だけじゃないです。私だって『5歳若く見える着こなし術』とか『ダイエット決定版!』とか書いてある雑誌を手にしている時は、なるべくA君のレジに行きたくない・・・。「ムダなことしてるよなー」ときっと思われているはず…。
子どもはグーンと成長し、大人は子どもの成長を実感するとともに、自分が歳を取ったことを自覚する、それが夏休みかもしれませんね。トホホ。(N)