【育成スタッフブログ】お祭り!(誰でも参加していい場所)
地方の港町で生まれ育った私にとって、夏といえば花火大会そしてお祭りでした。小学生低学年の頃は山車を引っ張り、高学年になると山車に乗りお囃子を叩くのが、いわゆる子どもたちのステータスでした。お囃子を叩くことを教えてくれたのは、町の青年団のお兄さんたち。工務店、クリーニング屋、魚屋、歯医者、旅館など様々な地元で働く20代から30代の青年が地元の伝統を小学生に伝えてくれていました。それまでは、親や学校の先生、スポーツ少年団の監督やコーチといった決まった大人としか接していませんでしたが、お祭りを通して多世代と交流できたことで、自分の価値観や世界観が急に広がったことを覚えています。思春期に差し掛かる私にとってお祭りという場は、とても大切な場所だったと振り返ります。
そんなことを思い出していたら、自宅(横浜市内)の窓の外から賑やかな声が聞こえてきたので、近所の公園へ足を運んでみると、夏祭りが開催されていました。露天商が営む私の地元のお祭りとは違い、地域の方々が手作りで“焼きそば”や“かき氷”、“くじ引き”、“わたあめ”など様々な屋台が出展されていました。驚くのは、ほとんどが50円~100円、高くてもビールが200円程度でした。まだまだ暑い夜でしたが、小さな子どもから高齢者まで様々な年齢層の方が参加していました。みんな、作り立ての焼きそばを食べたり、ラムネを飲んだり、綿菓子を分け合ったりしていました。一人で参加していた高齢者にも、周りの参加者が声を掛け、一緒のテーブルで食事をしたり、連れの子どもが高齢者に焼きそばを買ってきてくれたりと、自然な形で地域コミュニティーが形成されていました。健民祭(運動会)など地域の方々が集まる機会はいくつかあるかもしれませんが、お祭りのようにどの年代も自由に参加できる機会はあまりないのではないかと思えます。その証拠に、地域活動への参加を促しにくい中学生や高校生年代も参加していました。そこにはきっと「楽しい」という共通のキーワードがあり、参加者を選ばない場が存在しているからだと思いました。
青少年の居場所づくりを推進している我々にとって、“誰もが参加できる場づくり”の大きなヒントが地域活動には隠れていると思った夏のひと時でした。
追伸:「お祭りの焼きそば」と「家でつくる焼きそば」では、ナゼお祭りの焼きそばの方がおいしいのだろうと思うのは私だけでしょうか???