活動レポート財団だより

  • 掲載日:2015年9月2日
  • 掲載者:事業課

【報告】土井隆義氏講演会「つながりの牢獄ー青少年の問題行動から考えるー」(7/21実施)

平成27年度の子ども・若者エンパワメントセミナーでは、

筑波大学の土井隆義先生による講演会「つながりの牢獄ー青少年の問題行動を考えるー」実施しました。

インターネットを介して人とつながるコミュニケーションの機会が増加したことで、子ども・若者世代を中心に、LINEやTwitterなどSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)をめぐるトラブルや事件が増えています。

こうしたネット上でのつながりは周囲の大人からは把握しにくく、閉ざされた交友関係を発端としたいじめや非行・暴力は、大きな問題となっています。

青少年の問題行動の背景には何があるのか――今年度の子ども・若者エンパワメントセミナーでは、筑波大学教授の土井隆義先生を講師としてお招きして、「つながりの牢獄―青少年の問題行動から考える―」と題した講演会を実施、“つながり依存”・“キャラ化といったキーワードを切り口に、青少年を取り巻く現状と課題について、知り、学び、一緒に考えました。

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“つながり依存”がもたらす問題

土井先生は、「 現代の子ども・若者が陥りやすい“つながり依存”の背景にあるのは、自己肯定感の低さや自信のなさ。学校や学級など固定された人間関係の中で、互いを認め合うことで承認欲求を満たしている。このような限定された強い“絆”は、時として牢獄のように彼らを縛り付けてしまい、結果的にいじめや問題行動がエスカレートすることにもつながる。子ども・若者が自信や自己肯定感を持って、自立した大人として成長していくためには、固定した人間関係に依存しすぎることなく、人間関係の軸足を増やし、ゆるやかな架け橋のようなつながりを育むことが大切だ と、地域での見守りや多様な大人が関わることの重要さについて語りました。

広げよう、地域で青少年を見守る“目”

本講演には小中高生の保護者や教員、民生委員・児童委員、青少年指導員など日頃から青少年との関わる機会がある約160人が参加、「子どもに対する見方が変わった」、「これからは“ゆるい関係性の大人”として子どもたちに関わっていきたい」など、地域で青少年を見守る“目”を育み、日頃の関わりを振り返る機会となりました。

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