【活動報告】釜横トライ応援PJ/「『夢団』が防災について語ります!」
「釜石『夢団』、横浜へトライ!」応援プロジェクトと
よこはまユース主催防災啓発事業「『夢団』が防災について語ります!」が終了しました
釜石で震災の防災伝承活動を行う「夢団」の高校生と横浜の学生たちは
2021年12月に開催したよこはまユース主催イベント「3.11を振り返って」をきっかけに交流が始まりましたが
当時はコロナ禍のため直接会うことはできませんでした。
そこでイベントに関わった横浜の学生たちが中心となって「釜石『夢団』、横浜へトライ!」応援プロジェクトを企画。
クラウドファンディングで資金を集め、釜石の高校生15人を横浜にご招待しました。
学生たちは3月4日午前から南区の弘明寺商店街で横浜総合高校主催の「横総大感謝祭」に参加し
夢団の活動紹介をしたり、釜石の物産を販売したりして商店街の買い物客らと交流しました。
商店街を行く人たちに、この企画のために作った「横浜版クロスロードゲーム」を体験してもらい
災害時に自分ならどのように行動するか考えてもらいました。
語り部活動をしている釜石の生徒が路上で震災の経験を語り始めると、多くの人が立ち止まり耳を傾けました。
午後は桜木町に移動し、横浜の桐蔭学園高校インターアクトクラブが企画したオリエンテーリングに参加。
街なかの津波避難情報板や海抜表示を探しながらみなとみらい地区を巡りました。
ゴールの横浜ランドマークタワー展望台では予定時間を過ぎるまで横浜の美しい夜景を満喫しました。
夜は野島青少年研修センターに宿泊し
翌日の3月5日は同施設内研修室で、よこはまユース主催事業「『夢団』が防災について語ります!」に参加しました。
当日は地元の町内会はじめ多くの参加者が会場に集まりました。
イベントでは釜石から高校生たちを引率して来られた「三陸ひとつなぎ自然学校」代表の伊藤聡さんのご挨拶に続いて
夢団の動画班が作成した映像で夢団の活動が紹介され、その後は各班が活動の実演を行いました。
防災食班は参加者に防災食のレシピ本を配付し、缶詰を使ったレシピなどを紹介しました。
そして日ごろから食品を備蓄しておけば災害時だけでなく、日常生活のトラブルにも対応できることを伝えました。
語り部班は自分たちを「震災を記憶している最後の世代」だと話しました。
当時幼稚園生だったという生徒は、震災の時に妊婦だった母親と高台に避難。
そこから見た、津波が町に流れ込む光景を恐ろしく思ったと当時の経験を語りました。
また「内陸の方に住んでいたため震災の記憶があまりない」と語った生徒は
高校進学後に沿岸地域出身の友人と話す中で同世代の自分に震災の記憶がないことを悔やみ、
語り部活動を行う先輩の姿を見て自分も語り部になろうと思った、と話しました。
その後参加者たちはグループに分かれてゲーム班が作成したすごろくで遊びながら災害時の知識を学びました。
クロスロード班が作成した「釜石版クロスロードゲーム」体験では
震災当時に実際に釜石で起きた状況について、自分ならその時どう行動するかを参加者に考えてもらい、互いに発表しました。
参加者からは「若い人たちが防災啓発活動をしていることに心強さを感じました。」
「防災意識が高まりました。」「大人も地域活動に参加していかないといけないですね。」などの感想が寄せられました。
初めは少し緊張していた釜石の高校生と横浜の学生たちはすぐに打ち解け、別れ際には本当に名残惜しそうでした。
これまでSNSやオンラインでイベントの準備を進め交流してきた彼らでしたが、
対面でなければ得られない学びや発見があったようです。
そして私たち大人たちにとっても、若者支援のあり方や地域活動の大切さ、
そして活動を若者世代に繋いでいくことの意義を再確認する機会となりました。