活動レポート青少年育成センター

  • 掲載日:2012年12月1日
  • 掲載者:育成センタースタッフ

講座「食から読み解く思春期のこころ~孤食化、個食化する子どもたち~」報告①【育成C】

去る9月7日(金)に、鎌倉女子大学の森政淳子教授を講師に迎え、思春期の子どもがどのような思いを抱えているかについて「食」の視点から考える講座、「食から読み解く思春期のこころ~孤食化、個食化する子どもたち~」を実施しました。

昨年度は、主に子どものダイエット行動を基に理解を図りましたが、今年度は、子どもが描いた食事風景画から絵に込められた思いを読み解いていきました。とても発見の多い内容でしたのでご報告します。

講座の様子①

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前半では、思春期の子どもの生活についてお話しいただきました。

思春期の子どもには、食生活においても依存から自立への変化が見られますが、心や生活が不安定なために、生活習慣上の問題に陥りやすいそうです。そして、その「生活習慣上の問題」というのは、大人の影響によるもの、と先生は説明されていました。

以下に、講義の詳細を掲載します。

1.思春期の子どもの生活

  • 思春期とは

食事を通じて栄養を摂取することにより身体が成長する時期。また、色々な価値観のあることがわかってくると同時に、周囲と自分との価値観の違いも判ってくるなど、精神的にも成長する時期でもある。成長期であることは、一面では精神の不安定さをはらんでおり、時として、異質な他者や弱者に対して攻撃的になる(反抗期)。

成長期に入ると、保護者から与えられた物だけでなく、自分で食べる物を選ぶようになる。このようにして身体の成長が依存から自立へと変化していくが、心(精神)もまた、反抗期を経て自立へと変化していく。

  • 生活の変化と変化に伴う問題

依存から自立へと心身が変化(成長)する過程で、子どもは、家族や教員など自分を庇護してくれていた存在とは別の世界を持つようになる。こうして家族や教員などから離れた時間が多くなることは、子どもが自らの可能性を広げる機会を持つことに繋がるが、一方で、生活習慣上の以下のような問題を引き起こす。

①食生活の乱れ

「夜更かし→朝寝坊→朝食の欠食→昼前の食事→夕方のおやつ→夕食の欠食→夜食の摂取→夜更かし…」

この繰り返しにより、生活サイクル・食生活が乱れるようになる。因みに、朝食を摂らない成人の多くに、中学生のうちからの欠食習慣がみられる。

②運動不足

少子化が進んだことにより、家族などから離れた時間を一人で過ごすことが多くなり、遊ぶにしても体を動かすことがあまりなくなっている。このことは、都市部よりも、一つ一つの世帯が離れている地方の子どもに顕著にみられる。

③ドラッグやサプリメントの摂取

痩せるためや好奇心からドラッグやサプリメントに興味を持ち、手を染めるようになる。現代では、インターネットの普及、スーパーやコンビニでのサプリメントの販売などにより、手軽に入手しやすい環境になっている。サプリメントについては、そのものが危険ということではなく、過度に摂取することにより身体に悪影響が及ぶ。

以上のような生活習慣上の問題は、大人に起因する問題であり、子どもはその影響を受けていると言える。

  • 大人の生活習慣

日本人の摂取カロリーは、戦後の昭和21年に1,903kcalだったのが昭和50年には2,226kcalまで上がったものの、現代(平成13年)では1,954kcalにまで下がる、というように推移している。このように、戦後期と摂取カロリーは同程度であるにも関わらず、現代では生活習慣病や肥満が増加している。この原因として、以下のような点が挙げられる。

①運動不足

生活が便利になり、移動や労働など様々な場面で身体を動かす機会が減り、結果的に運動量が減った。

②食生活の変化

食生活の欧米化が進み、摂取する栄養素のバランスが変化してきた。日本食に多く含まれる炭水化物や鉄分の摂取が減り、動物性たんぱく質や動物性脂質の摂取量が増加した。

特に食生活の変化は、大人と同じ食事をする子どもにも影響を及ぼすこととなり、生活習慣病や肥満の子どもの増加を招いている。

  • 身体観(ボディイメージ)とダイエット行動

ア.身体観

痩せ志向は社会全体に見られるが、痩せているにも関わらず太っていると思い込む、自分の身体観を正確に捉えられていない若者が増えている。そのため、身長の発育による体重の増加も単に「体重増加」として捉え、成長やそのための「食べる」という行為を否定的に考える傾向が見られる。

一般的に「痩せ願望」は女子特有のものと思われがちだが男子にもある。小中学生を対象に実施したダイエットに関する調査からは、興味・関心は女子に多くみられるが、家族からダイエットを勧められたり、実際にダイエットをした経験は男子の方が多いという結果を得た。女子に比べ男子に対しての方が、容姿について口出ししやすいためと考えられる。

近年では、ティーン向け雑誌などでもダイエットについて取り上げる機会が増え、ダイエットへの興味・関心が低年齢化している。

イ.自尊感情とダイエット行動

成長期では特に、成績や容姿を気にして自分に自信を持てない子どもが、成果の判りやすいダイエットにより自己実現を図ることで、結果として摂食障害に陥りやすい。普段から、身近な大人たちが子どもの自尊感情や自己肯定感を育んでおくことが大切になる。

ウ.ダイエット方法

よく見られるダイエット方法は「朝食を抜く」こと。しかし、朝食を抜くことは返って太りやすくなる。相撲の力士は身体を大きくするために、①起床後、食事をせずに稽古をする。②昼前に食事を摂る。③昼寝をする。・・・という生活を送っているとされるが、学生の行動はそれに似ている。

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大人のつくったライフスタイルや価値観(痩せ志向)が、子どもの心を一層不安定な状態にし、そのために子どもは自己肯定感を補うように、ダイエット行動や薬物・サプリメント依存に至ってしまう状況があるようです。「子どもの自己肯定感の低さ」ということが、色々な場面で話題に上っていますが、食生活にまで関係しているとは驚きです!

後半はいよいよ、食事風景画を基にした、食事形態と子どもの心の関わりについてのお話です。 ・・・報告②につづく

 

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